中小企業診断士と簿記2級の先へ|“独占業務の士業”を選んだ理由

目次

はじめに|資格を選ぶことは、自分の選択肢をどう広げるかだった

中小企業診断士に合格したあと、次に選んだのが簿記2級でした。
決算書を「読む力」に加えて、「作る側の視点」も持っておきたいと思ったのが、簿記を学び始めたきっかけです。

数字の裏にある意図や仕組みが少しずつ見えてくることで、仕事への理解は確実に深まり、視野も広がっていきました。

そして同時に、こんな思いも持っていました。

「もしものとき、自分の力で未来を切り拓ける準備はできているだろうか?」

そんな思いから、“独占業務”のある資格を調べ始めたのが次のステップでした。それはキャリアの話であると同時に、家族を守るため、そして自分自身の生き方そのものに関わる話でもありました。

この記事では、情報処理技術者・中小企業診断士・簿記といった資格を経たうえで、その延長線上にある選択肢として「公認会計士か税理士か、どちらを選ぶべきか」というテーマと向き合った過程を振り返っていきます。

資格を通じて「自分の選択肢をどう広げていくか」を考えている方にとって、何か一つでも参考になる視点があれば幸いです。

公認会計士と税理士|次に選ぶべき資格はどっち?

中小企業診断士に独占業務がないと知ったことで、「独占業務のある資格なら、専門性を武器にできる」
そう感じたからこそ、次に考えたのが、独占業務のある士業だった。

だったら、専門性を明確にアピールできる資格のほうが、将来的にも強いんじゃないか――。
そんなふうに思うようになったのは、自然な流れだったと思う。

でも、弁護士や弁理士といった法律系には、あまり惹かれなかった。自分の関心も、これまでの経験も、どう考えてもそっちじゃない。

じゃあ、今までやってきたことの延長線上にある資格は何だろう?

そう考えていく中で、浮かんできたのが公認会計士税理士の2つだった。

  • どちらも「会計」「決算書」に深く関わる仕事
  • 中小企業診断士や簿記の知識とも親和性が高い
  • それぞれに独占業務がある

公認会計士:監査業務
税理士:税務申告業務

「これまで積み重ねてきた知識が活かせるかもしれない」
「士業として、より専門的なスキルを身につけられるかもしれない」

そんな期待が、少しずつ自分の中で膨らんでいった。

公認会計士と税理士を比較して出した答え

独占業務のある資格を探していく中で、最終的に候補に残ったのが公認会計士税理士だった。

とはいえ、そこまで長く迷ったわけじゃない。少し比較しただけで、「公認会計士でいこうかな」という気持ちが自然と固まっていった。

理由はいくつかある。

まず、試験内容を見たときに、公認会計士のほうが断然おもしろそうだった。

税理士試験は、税法の暗記がかなり重い。計算もあるけど、結局は条文をどれだけ覚えられるかみたいな世界になってくる。正直、それは自分には合わないかもと思った。

一方、公認会計士の試験は「監査論」や「企業法」「経営学」など、経営全体に関わる科目が含まれている。これは中小企業診断士と親和性も高いし、実務にどうつながるかがイメージしやすかった。

さらに、公認会計士に合格すれば税理士としても登録できるという仕組みも後押しになった。

「どうせ取るなら、ダブルライセンスの可能性もあるほうがいい」
「専門性を深めながら、将来の選択肢も広げておきたい」

そう考えたとき、公認会計士のほうが自分にとっては現実的で合理的な選択肢だった。

中小企業診断士や簿記を経て、「このまま積み上げれば、公認会計士がいちばん自然な流れじゃないか」と思えた。

結果として、気持ちは公認会計士一本に絞られていった。

今思えば、それは直感というよりも、「自分が続けていけそうかどうか」を含めた、冷静な判断だったと思う。

公認会計士を選んだ決め手は“お得感”だった

公認会計士を目指すことに決めた一番の理由は、「試験に合格すれば、税理士登録もできる」というお得さだった。正直なところ、これが一番大きかった。

税理士試験は、科目合格制でコツコツ積み上げるタイプの試験だけど、5科目クリアするのに時間もかかるし、税法の暗記も多い。

一方、公認会計士は一発勝負型の試験ではあるものの、合格すれば税理士登録の道も開ける。

「だったら、こっちのほうが“コスパ”いいよな」

って思ってしまった。

もちろん、試験が甘いとは思っていない。働きながらの挑戦はかなり無理があることも承知の上だ。超難関の三大国家資格であり合格率も低いし、合格後も実務要件をクリアしないと登録できないこともわかってる。

でも、中小企業診断士や簿記で積み上げてきた知識がベースにあるなら、まったくのゼロから始めるよりは有利なはず。それに、仮にすぐに独立や転職をしないとしても、会計士の知識は今の仕事にも活かせる場面があるかもしれない。将来的に何かあったとき、「動ける自分でいたい」っていう想いにも合っていた。

だから、公認会計士の勉強を始める決断は、そこまで迷わなかった。

むしろ、「やってみないと何も始まらない」って気持ちのほうが強かった。

合格しても名乗れない?実務要件への不安とそれでも進む決意

公認会計士を目指すと決めたものの、正直、不安がなかったわけじゃない。

たとえ試験に合格したとしても、すぐに「公認会計士です」と名乗れるわけじゃない。登録するには、一定の実務経験が必要で、その要件をクリアする必要がある。

「今の会社に勤めながら、その実務経験を積めるのだろうか?」

「監査法人に転職して一から経験を積む? それって現実的なんだろうか?」

そんなふうに、頭の中ではいろいろな選択肢が浮かんでは消えていった。試験に合格しただけじゃ終わらない。合格後のことまで考えると、簡単な道じゃない。

それでも——やっぱり、立ち止まっていても何も変わらない。

「まずは試験に合格しないと、始まらない」そう思って、ひとまず実務要件のことはあと回しにした。動きながら考えればいい。実務経験を積む方法だって、探せばきっと何かある。

「やると決めたなら、やってみるしかない」

このときの自分は、そんな気持ちで前に進んでいた。

おわりに|「簿記×士業」で見えた、次の選択肢とその意味

中小企業診断士に合格したあと、次に選んだのは簿記2級でした。
決算書を「読む」だけでなく、「作る側の視点」も持ちたい——。そんな思いで始めた勉強でしたが、この経験はその後の資格選びやキャリアの考え方にも、大きな影響を与えてくれました。

簿記を通して、会計の世界に対する解像度が一段階上がったことで、
「この先、自分はどんな専門性を深めたいのか?」
「もしものとき、どうやって“動ける自分”でいられるか?」
そんな問いと向き合うようになったのです。

そしてたどり着いたのが、公認会計士か、税理士かという選択肢でした。

この記事では、その2つの資格に悩んだ過程、そして最終的に公認会計士を選んだ理由を振り返ってきました。
どちらを選ぶか以上に、「自分の選択肢をどう広げていくか」という軸で考えた時間は、人生の進路を見直すうえで、確かに意味のあるものでした。

次回は、実際に公認会計士への挑戦がどう進み、どんな結論に至ったのか。
その過程と、その先にあった新しい選択についてお話ししていきます。

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