病院勤務から訪問リハへ!言語聴覚士のキャリアチェンジで見える新たな可能性

病院で働く言語聴覚士(ST)の多くが、日々の臨床の中で「このままで良いのだろうか」「もっと違う形で支援ができるのでは」と感じる瞬間があります。
そんなときに選択肢の一つとして浮かぶのが、「訪問リハビリ」へのキャリアチェンジです。

訪問というスタイルは、病院とは異なるやりがいと難しさを持ち、STのスキルを新しい形で発揮できる場です。この記事では、病院勤務から訪問リハに転職したSTの実体験や、キャリアチェンジによって得られる可能性について詳しく紹介します。

訪問リハビリとは?STの役割を解説

訪問リハビリの概要

患者の自宅を訪問し、生活環境に合わせたリハビリを提供するスタイル。医療保険または介護保険が適用され、病気・障害のある方が対象です。

STの主な支援内容

  • 嚥下機能の評価・訓練
  • 構音障害・失語症へのアプローチ
  • コミュニケーション支援(筆談、代替手段など)
  • 家族や介護者への助言・指導

病院との違い

  • 医師が常駐していないため、STの判断力が重要
  • 生活空間での支援になるため、実践的で現実的
  • 患者との長期的な関係構築ができる

訪問リハに転職するメリットとは?

① より生活に寄り添った支援ができる

病院では「退院後どうなるか」が見えにくい一方、訪問では実際の生活動線や家族関係も踏まえた支援が可能です。
机上のリハではなくリアルな暮らしに直結するリハビリが行えます。

② スケジュールの自由度が高い

1日の訪問件数や移動時間を自分で調整できるため、勤務時間を柔軟にコントロールしやすいのが魅力。
子育てや副業との両立もしやすくなります。

③ 高単価・高収入の可能性

訪問リハは診療報酬が比較的高く、1件あたりの単価が病院よりも高い傾向があります。
訪問件数や稼働日数次第では、年収アップも十分に実現可能です。

④ 独立・起業への足がかりになる

訪問リハの経験は、将来的にフリーランスSTや訪問事業所開業へとつながります。自費訪問やオンライン支援への応用も可能です。

訪問リハに向いている人の特徴

  • 一人ひとりの生活に深く関わりたい人
  • 自主的に判断・行動できる人
  • 医師や看護師がいない状況でも冷静に対応できる人
  • 移動やスケジュール管理に苦手意識がない人

転職する前に確認したいポイント

訪問STとして必要な経験とスキル

  • 嚥下・失語・構音など幅広い臨床スキル
  • 報告書や計画書の作成力
  • 緊急時対応・リスクマネジメント能力

雇用形態と給与形態の違い

訪問STの雇用形態は、正社員・業務委託・パートなど多様です。
特に業務委託の場合は「1件〇〇円」の出来高制が多く、稼働日数によって収入が変動します。

サポート体制のある事業所を選ぶ

訪問未経験者は、教育体制やフォローが充実している事業所を選ぶことが大切です。
同行訪問や研修制度の有無は事前にチェックしましょう。

実例紹介:訪問リハに転職したSTのリアル

ケース1:30代女性ST(病院→訪問)

回復期病院で7年勤務後、訪問へ転職。最初は不安だったが、今では患者の生活変化を間近で見られるやりがいを実感。「一人ひとりに深く関われるようになった」と語る。

ケース2:40代男性ST(急性期→訪問事業所立ち上げ)

急性期勤務中に訪問に興味を持ち、退職後に訪問リハ事業所を開設。地域包括支援センターや居宅との連携で順調に利用者を増やし、現在は複数名のSTを雇用中。

ケース3:育児中のママST(病院→週3訪問)

時短勤務の壁を感じ、訪問にキャリアチェンジ。現在は週3日・1日3件の訪問で、子育てと両立した働き方を実現中。

まとめ:訪問リハはSTにとって第二の挑戦の場

病院から訪問リハビリへの転職は、STとしての働き方や価値観を大きく変えてくれる経験です。
より深く生活に関わり、自由なスタイルで支援したい方にとって、訪問は大きな可能性を秘めた選択肢です。

新たな一歩を踏み出せば、自分らしいST像に近づけるかもしれません。迷っている方こそ、ぜひ一度訪問の世界をのぞいてみてください。

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